さよなら、愛しい人

「さよなら、愛しい人」

これで村上春樹が訳したレイモンド・チャンドラー作品の3作を全て読んだことになります。

主人公は私立探偵のフィリップ・マーロウ。タフな男です。
依頼の仕事をしていたところへ、思いもかけず事件に巻き込まれます。ここから小説が始まりです。

「私の商売を成り立たせているのは、まずは好奇心である」(P26)

とありますが、好奇心で首を突っ込んだばっかりにとんでもないことになっていきます。
 ・・・とんでもないことが次々起こるからハラハラして面白いんですねどね 

ストーリーの仕立ては、5月11日の記事「リトル・シスター」に書いた通りです。
一見単純に見えた事件が、捜査を進めていくにつれて複雑な様相を見せていきます。ときおり事件の真相を解き明かそうとして仮説を提示します。これが読者(つまり僕ですが)の頭の整理に役立ちます。しかし仮説が常に正しいとは限りません。
仮説が正しいと読んでいて安心するのですが、違った場合は「じゃあ、真相は何なのだ」と鈍い頭をなんとか働かして理解しょうと努めます。

これって読者の緊張感を維持させるための絶妙は仕掛けのように思えます。

読んでいるときはそんなことに気がいきません。複雑かつ重層化している事件の背景を追っていくのに大変なんです。

こういう時に“明晰な頭脳”がほしいと思いますね(笑)

そんな僕でも途中で放り出させず惹きつけさせるのはチャンドラーの凄さだと思います。半端でない面白さがあります。

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マーロウの気の利いたセリフが面白い。しかしそれを聞く人間にとっては、へらず口と思われたり、イラっとさせます。
もし僕が実際に聞いたら、シラっとして無視したくなるのもあります。だけど読者としての立場からいくと、一つ一つをコレクションにして味わってみたい。そして僕もそういうセリフを一つでも二つでも言ってみたい。

 ・・・勿論その時は周囲は白々とするはず 


文章の妙味という点でいくと、これも素晴らしい。
人物描写や風景描写がうまく、頭の中にイメージしやすいのです。そしてクッキリ残っていきます。訳した村上さんの筆力もあるでしょうが、チャンドラーの文章力も優れているんだと思います。

チャンドラー作品を原文(英語)で味わえたらといいなァと憧れに似た思いが出てきます。

こうした文章の素晴らしさを堪能するという楽しみ方もあります。



あ~

村上訳のチャンドラー作品はこれでおしまいです。

次の翻訳が早くでないかな~


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「さよなら、愛しい人」これで村上春樹が訳したレイモンド・チャンドラー作品の3作を全て読んだことになります。主人公は私立探偵のフィリップ・マーロウ。タフな男です。依頼の仕事をしていたところへ、思いもかけず事件に巻き込まれます。ここから小説が始まりです。「...

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