文章のリズム、ビート
村上春樹ほど翻訳をいっぱいやっている作家はいないでしょう。
「翻訳夜話」を読んでいると、根っからの翻訳好きだと思いますが、それ以外にも理由があるようです。
本人の弁によると、小説と翻訳は脳の全く逆を使っている感じがする。小説を書き終えると自然に翻訳がしたくなる。小説を書いていると片方の脳を使う、しかも偏重的に。それに対し翻訳は逆の方の頭を使う。そうしないとうまく自分の中でバランスがとらないということなのだろうか、と。
これは1996年の発言です。今はどういう作業をしたとき脳のどの部位を使うかを測定する機器がありますから、これで実際見てもらってはどうでしょうか。
本人はしないでしょうけど(笑)
さて、村上春樹は「文章のリズム」の大切さを折にふれて語っています。
このことを言うのは村上さんだけでしょうか?
文章読本とか文章に関するものはほとんど読んだことがありません。皆無に等しいので、誰が文章に関してどういう意見をもっているか知りません。
ただ僕にとっては、「文章にはリズムが大切だ」という一文を見た時の印象は強烈なもので、以後常に気になる言葉となっています。
村上さんは他の本で「リズムがないと人は読まない」「リズムがないと次の文章が出てこない、すると物語も前に進まない」と言っています。
本書では

「一つは非常にフィジカルで実際的なリズムです。いわゆるビートですよね。 (中略) ビートがない文章って、うまく読めないんです。
それともう一つはうねりですね。ビートよりも大きいサイクルのうねり。このビートとうねりがない文章って、人はなかなか読まないんですよ。
いくら綺麗な言葉を綺麗に並べてみても、ビートとうねりがないと、文章がうまく呼吸しないから、かなり読みづらいです」(P45)
翻訳に言及します
「僕は思うんだけど、創作の文章にせよ、翻訳の文章にせよ、文章にとっても一番大事なのは、たぶんリズムなんですよね。 (中略)
文章っていうのは人を次に進めなくちゃいけないから、前のめりにならなくちゃいけないんですよ。どうしたら前のめりになるかというと、やっぱりリズムがなくちゃいけない。音楽と同じなんです」(P66)
具体的作業における留意点ついて
「自分なりのポリシーというか、文章を書くときのプライオリティのトップにくるものが、それぞれにあるはずです。僕の場合はそれはリズムなんです。呼吸と言い換えてもいいけど、感じとしてはもうちょっと強いもの、つまりリズムですね。 (中略)
僕はオリジナルのテキストにある文章の呼吸、リズムのようなものを、表層的ではなく、より深い自然なかたちで日本語に移し換えたいと思っている」(P21~22)
このような文を読んでしまうと、村上春樹の翻訳ものに目が離せなくなってしまいますね。
一昨日カポーティの「ティファニーで朝食を」(村上春樹訳)を読み終えました。
ブックレビューは後日(・・・の予定・・・ かな 笑 )
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「翻訳夜話」を読んでいると、根っからの翻訳好きだと思いますが、それ以外にも理由があるようです。
本人の弁によると、小説と翻訳は脳の全く逆を使っている感じがする。小説を書き終えると自然に翻訳がしたくなる。小説を書いていると片方の脳を使う、しかも偏重的に。それに対し翻訳は逆の方の頭を使う。そうしないとうまく自分の中でバランスがとらないということなのだろうか、と。
これは1996年の発言です。今はどういう作業をしたとき脳のどの部位を使うかを測定する機器がありますから、これで実際見てもらってはどうでしょうか。
本人はしないでしょうけど(笑)
さて、村上春樹は「文章のリズム」の大切さを折にふれて語っています。
このことを言うのは村上さんだけでしょうか?
文章読本とか文章に関するものはほとんど読んだことがありません。皆無に等しいので、誰が文章に関してどういう意見をもっているか知りません。
ただ僕にとっては、「文章にはリズムが大切だ」という一文を見た時の印象は強烈なもので、以後常に気になる言葉となっています。
村上さんは他の本で「リズムがないと人は読まない」「リズムがないと次の文章が出てこない、すると物語も前に進まない」と言っています。
本書では

「一つは非常にフィジカルで実際的なリズムです。いわゆるビートですよね。 (中略) ビートがない文章って、うまく読めないんです。
それともう一つはうねりですね。ビートよりも大きいサイクルのうねり。このビートとうねりがない文章って、人はなかなか読まないんですよ。
いくら綺麗な言葉を綺麗に並べてみても、ビートとうねりがないと、文章がうまく呼吸しないから、かなり読みづらいです」(P45)
翻訳に言及します
「僕は思うんだけど、創作の文章にせよ、翻訳の文章にせよ、文章にとっても一番大事なのは、たぶんリズムなんですよね。 (中略)
文章っていうのは人を次に進めなくちゃいけないから、前のめりにならなくちゃいけないんですよ。どうしたら前のめりになるかというと、やっぱりリズムがなくちゃいけない。音楽と同じなんです」(P66)
具体的作業における留意点ついて
「自分なりのポリシーというか、文章を書くときのプライオリティのトップにくるものが、それぞれにあるはずです。僕の場合はそれはリズムなんです。呼吸と言い換えてもいいけど、感じとしてはもうちょっと強いもの、つまりリズムですね。 (中略)
僕はオリジナルのテキストにある文章の呼吸、リズムのようなものを、表層的ではなく、より深い自然なかたちで日本語に移し換えたいと思っている」(P21~22)
このような文を読んでしまうと、村上春樹の翻訳ものに目が離せなくなってしまいますね。
一昨日カポーティの「ティファニーで朝食を」(村上春樹訳)を読み終えました。
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