「古事記」と壬申の乱(1)

今年は「古事記」編纂1300年、関連書籍がたくさん出版されています。

先日書店で、関裕二さんの新刊「『古事記』と壬申の乱」を見かけて、面白そうだったので購入。
関さんの本を初めて読んだのは「藤原氏の正体」。これがすごく面白かったので、それ以降ちょこちょこと買い集めています。

この本の目玉は、帯にある「『古事記』は天武系、『日本書紀』は天智系の歴史書だった!?」です。

「古事記」も「日本書紀」も天武天皇の勅命による編纂とされていますが、なぜ同じ政権が2つの歴史書を必要としたのか?
しかも「古事記」は新羅に好意的、「日本書紀」は百済に好意的ということで一致していません。
たとえば戦後の冷戦時代に、1980年ぐらいにしときましょうか。中国政府が国家編纂の歴史書を2つ作ったとしましょう。一つは欧米の民主主義国家に好意的な内容のもの、もう一つは中ソなどの共産党国家に好意的なものであった。

どう思います? 
考えられないでしょ。それと似たようなものだと思います。

戦後教育を受けてきた日本人にとって、“歴史的記述は客観的に”は当たり前のように思えますが、実際はそんなことはありません。自国にとって都合いいように書かれるものなのです。

関さんは言います。
歴史書には、政治的な意図が隠されているものなのだ」 (P61)

だから、「古事記」も「日本書紀」も天武天皇の勅命による編纂、というところに疑問を投げかけ、謎を解いていきます。
そして「古事記」は天武系、「日本書紀」は天智系の歴史書という結論を導きだしていきます。

・・・結論だけをいうと面白くありませんね。そこに至る過程を追っていくのが楽しいのです。興味を持たれた方は読んでみてください・・・
古事記

論証の一部を紹介しましょう。
日本書紀は「現政権の正当性を証明するために記された歴史書で、われわれは百済を支持してきたと表明している。もちろん、これは政治的な意図をもっている」(P62)

天武王朝は親新羅政権です。天智天皇は親百済政策をとっていました。壬申の乱で天武が勝利すると、外交方針は一変します。新羅寄りになるのです。
それが天武天皇の勅命である「日本書紀」が百済を支持すると書いているのはなぜか。明らかに矛盾しますよね。

こんな感じでいろいろな検証がなされます。
時代的にも聖徳太子や大化の改新などにさかのぼって記述されています。


大化の改新や蘇我氏に対する通説にも疑問が投げかけられています。
繰り返します。「歴史書には、政治的な意図が隠されているものなのだ

過去の事実を隠滅したり捏造することがあるのです。

歴史の教科書によって、大化の改新で中大兄皇子と中臣鎌足は“巨悪”の蘇我入鹿を倒したと教えられました。関さんは言います。蘇我氏が改革派で、中大兄皇子と中臣鎌足は改革に反対する保守派ではないかと。

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こんばんは

私が読んだ関さんの本にも蘇我氏は改革派であり、中大兄皇子と鎌足は保守派であったと書いてありました。私はこの仮説に賛同です。

関さんの本は面白いですよね。関さんが著した本で未読のものがまだあるので読むのが楽しみなのですが、読んでしまうのが勿体無いのと読書意欲が減退しているのとで積読状態です^^;

関裕二

kurt さん、こんにちは。

「藤原氏の正体」が刺激的なタイトルで、ちょっと読んでみようかなと思い購入しました。
そこから関さんのファンになりました。

それからタイトルを見て面白そうなのを買い集めました。

そう「買い集めた」のです。
つまり買うのは買って集めている感じです。読むことがそれに追いつかず“積読状態”になっていますが(苦笑)

まあ、ぼちぼち読んでブックレビューを書こうかと思っています。
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