反動

「『坂の上の雲』は1968年の段階では“反動”にほかなりません」

と関川夏央は「『坂の上の雲』と日本人」で書いています。
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僕は本を読むときに、執筆時の状況に無頓着なので、この言葉には驚きました。

この本に時代状況を書いた箇所があるので引用します。(多少表現を変えます)

まず「坂の上の雲」が書かれたのは1968年から72年までで、産経新聞に連載されました。

1960年代から学生の政治活動が盛んになり、やがてそれは暴力をともない始めます。
1968年は、反体制色に満ちた猛々しい印象の濃い年です。→この年に執筆を開始。
1972年は、青年層の反体制心情が急速に委縮した年です。→連載が終了しました。

当時の産経新聞は学生からは“右翼”というレッテルを貼られていました。それもあって関川さんは“反動”だ。世間はそう考えていたと言うのです。

2009年から今年にかけて3年間かけてTVスペシャルドラマ「坂の上の雲」が放映されていますが、日本の社会状況は今と執筆当時とではあまりにもかけ離れています。だからこの小説に対する評価やとらえ方も違っているはずです。

「坂の上の雲」を好評価する人も批判する人も、執筆時(今から40年前)のことを考慮にいれて発言すべきだと思います。(これはマスコミ向け発言)

僕も一読者として、司馬さんの時代意識を少しでも多く共有して読みたい、そしてTVドラマを見たいなと思います。

関川さんの言葉を最後に加えます。
反体制運動が盛んなころに「このような物語を書き始めた司馬遼太郎は、世の俗論に対してはかなり敢然とはむかう人、見かけより相当に反骨精神、敢闘精神の強い人だったといえると思います」(P14)


今日の放映は「旅順総攻撃」です。
203高地への攻撃は1904年11月27日に始まり、12月5日まで続きます。ちょうど今の時期ですね。

次の記事は、古川薫「斜陽に立つ 乃木希典と児玉源太郎」を題材に書く予定です。

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