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不条理な設定(2)

歴史の神様はいるのかもしれません。
阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件は同じ年の出来事です。あれから16年、3月11日に地震が起こり、昨日オウム真理教関連の裁判が終結しました。これも同じ年の出来事です。偶然とは思われません。


さて、昨日の続きです。

理不尽なことや不条理な事実で、理解を絶するようなことがあっても、まるごと受け入れるほかはない、と教えることが物語の要点である。そう内田樹さんは述べています。

ここで僕の連想は村上春樹の小説へ向かいました。(内田さんの所説から大きく脱線します。そのつもりで読んでください)

村上春樹は不条理な話が多い。登場人物が突然いなくなったり、死んだりすることが多いのです。(小説では“損なわれる”とか“失われる”といった表現が多い)
そこに理由は見当たりません。原因や理由を示す記述や読者である僕を納得させるような文がありません。そう、合理的説明を拒否したような設定になっているのです。

これを僕は「不条理な設定」と勝手に名づけよう!

たとえば「ノルウェイの森」では、主人公ワタナベの親友キズキは小説が始まってすぐに自殺をします。大学2回生(だと思います)のときキズキの恋人の直子に会い恋愛関係になります。ワタナベとキズキそして直子は高校時代3人で行動することが多かった。ワタナベ・直子関係は微妙です。あるとき直子は突然いなくなります。ワタナベのもとに数か月後精神病院に入院している直子から手紙が届きます。いくたの出来事があって直子は自殺。などなど・・・

大雑把にいうとこんな展開になりますが、そこに合理的説明は一切ありません。深い謎を秘めたまま物語が進むのです。僕がなぜと問いかけても小説は答えてくれません。僕自身も答えを見いだせず悶々としてきます。読み進めるごとにいろんなものを抱え込んでいきます。

ここである考えが浮かびました。
村上春樹の小説に“竹で割ったような”と形容できる小説はない。ほとんどが「不条理な設定」による小説である。それをそのまま受け入れるべきではないか、と。

謎は謎もままに受け入れよう。不可思議な出来事に安物の説明を見つけて安易に納得しないでおこう。不条理な話をまるごと承認しよう。
考えることを放棄するわけではありません。「不条理な設定」を受け入ることから始めてみよう、と思ったわけです。
(そうすることで、もう一歩深い読みだできるかもしれないという期待を含んでいます)


春樹の小説は結末を迎えても解決されずに残されるものがあります。
読後の爽快感(有川浩のような)とか、ほのぼのとした温かみ(「神様のカルテ」1,2のような)はありません。澱みみたいなものが残ることが多いのです。
しかし、不思議なことに不快感はないのです。深い余韻をもちつつ僕の中に残るのです。数年後に「読んだけど中味をすっかり忘れちゃった」というものでない、たしかな存在を確保し続けるものがあるような気がします。

不思議と言えば不思議です。

これって村上春樹の“凄み”なのだろうか?

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不条理。。

まるごと受け入れてみる。。。

確かに大切なことですね。
理解できないことは間違っているかと言えばそうでもない。
人間は己の能力を過信しすぎているのかもとも思いました。

光より速い粒子。。。
あると受け入れてみれば新しい真実が見えてくるかも。。

想いが広がります(^-^)

まるごと

ばばばんさん、こんにちは。

仕事を含めて日々の生活には、理不尽なことや不条理なことはいろいろとあります。これに対してどう対処するかは、ここでは述べません。

童話や昔話(オリジナルなものは残酷なものだったり、怖ろしいものが多いそうです)の場面設定にケチやツッコミをいれてはいけない。そのまま受け入れるべきだ。
そんなことを思ってもいなかったので、面食らってしまいました。

「わかった。じゃあ、そうしよう」と思ったのですが、「それなら小説は?村上春樹なんて、日常ありえないことが場面として設定されているじゃないの・・・」
そこから妄想(?)を広げて今回の文になりました。

変てこな文章ですみません(苦笑)


>光より速い粒子<
新聞で報道されていましたね。
僕には理解を超えた話ですが、なにやら面白そうな感じがします。
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