天皇の正体
天皇とは何か?
それは「祟る王」であり「祟られる王」である。
何の脈絡もなく言われたらビックリしますよね。
「『日本書紀』が隠し通した天皇の正体」という本にそんなことがかいてありました。
すみません、本題へ入る前に長い前置きを書きます。飛ばしていただいてもかまいません。
僕の古代史への水先案内人は梅原猛。
「神々の流竄」 (大和から出雲へ神々は流され、幽閉されたとする出雲神話に関する説を展開)
「隠された十字架」 (法隆寺を聖徳太子一家の怨霊鎮魂の寺とする説を展開)
「水底の歌」 (柿本人麻呂が流罪刑死したという説を展開」
その他の著作を学生時代から社会人になって数年まで読みました。
これらの著作で、“怨霊”“たたり”“鎮魂”というキーワードで古代史を見ることができることを知りました。
当時は通説への大胆な挑戦っだようで、学会等の反応は誹謗・中傷・冷笑・黙殺だったそうです。
次に古代史に関して読んだのが井沢元彦。
3つのキーワードの他に“言霊”を知りました。
そして次が関裕二。
梅原さんや井沢さんと同じ流れの中にあるように思われます。
(3人はどうやら古代史学会からみて異端のようです)
さて今回読んだ
『日本書紀』が隠し通した天皇の正体

「藤原氏の正体」「蘇我氏の正体」「物部氏の正体」と本もありますから、関さんは正体ということばお好きのようですね。
この本では、天皇の正体を探ろうという試みをしています。
筆者の問題意識は
「3世紀後半から4世紀にかけてヤマトが建国され(これが古墳時代の始まり)、『祟る王』というカラクリが生まれ、この時代以来、日本には『平和を維持するためのシステム』が完成していたのはないか」(P12)というところにあるからです。
これまで戦い乱れていた日本が、ヤマトが建国の頃にそれまでの争乱が嘘であったかのように、安定した社会が出現したからです。
強力にして絶対的な権力が確立されたわけではありません。
だのになぜ?
関さんが提示する仮説は、「祟る王」というシステムの効能だというのです。
力はないけれども、手にかけると何が起きるかわからない恐ろしい王の存在があったからだというのです。
天皇は現人神として恐れられてきました。
「現人神」はのちに「荒人神」と書かれるようになりました。
つまり、荒々しい恐ろしい神であり、祟る神であるのです。
そして具体的な話に入っていきます。
中心は「神」という文字の入った天皇、「神武天皇」「祟神天皇」「応神天皇」それから「神功皇后」。
詳述しませんが、「古事記」「日本書紀」そして民間伝承をもとに縦横無尽に語られます。そして大胆な仮説も述べられます。
・・・が、
古代史に知識のない僕には、ついていくのに大変でした。話があっちいきこっちへいきで、前後関係のつながりがわからないのです(苦笑)
「古事記」「日本書紀」を含めた古代史にそれなりの知識があれば面白いだろなと思います。しかし、初歩の知識があまりにもなさすぎた。消化不良を起こしてしまいました。
この本を読むにたえるだけの知識ができたら再読したいと思っています。その時は凄く面白く感じるでしょう。
この本で一番納得したのは、日本書紀編纂の目的に関する説。
「日本書紀は天武天皇の死後34年後に完成しているのだから、正確には「天武のために書かれた」のではなく、『天武の死後34年後の政権にとって都合の良い歴史書』だったはず」(P176)
この時の天皇は持統天皇、朝堂のトップは藤原不比等。
つまり、日本書紀は持統天皇と藤原不比等が、正統性の証明のために、また自己の正当性を主張するために作ったということ。
裏を返せば、都合の悪い過去の事実の隠蔽と改竄がなされていること。
これと似たような事は歴史を通してなされてきましたが、最近もよく耳にします。
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それは「祟る王」であり「祟られる王」である。
何の脈絡もなく言われたらビックリしますよね。
「『日本書紀』が隠し通した天皇の正体」という本にそんなことがかいてありました。
すみません、本題へ入る前に長い前置きを書きます。飛ばしていただいてもかまいません。
僕の古代史への水先案内人は梅原猛。
「神々の流竄」 (大和から出雲へ神々は流され、幽閉されたとする出雲神話に関する説を展開)
「隠された十字架」 (法隆寺を聖徳太子一家の怨霊鎮魂の寺とする説を展開)
「水底の歌」 (柿本人麻呂が流罪刑死したという説を展開」
その他の著作を学生時代から社会人になって数年まで読みました。
これらの著作で、“怨霊”“たたり”“鎮魂”というキーワードで古代史を見ることができることを知りました。
当時は通説への大胆な挑戦っだようで、学会等の反応は誹謗・中傷・冷笑・黙殺だったそうです。
次に古代史に関して読んだのが井沢元彦。
3つのキーワードの他に“言霊”を知りました。
そして次が関裕二。
梅原さんや井沢さんと同じ流れの中にあるように思われます。
(3人はどうやら古代史学会からみて異端のようです)
さて今回読んだ
『日本書紀』が隠し通した天皇の正体

「藤原氏の正体」「蘇我氏の正体」「物部氏の正体」と本もありますから、関さんは正体ということばお好きのようですね。
この本では、天皇の正体を探ろうという試みをしています。
筆者の問題意識は
「3世紀後半から4世紀にかけてヤマトが建国され(これが古墳時代の始まり)、『祟る王』というカラクリが生まれ、この時代以来、日本には『平和を維持するためのシステム』が完成していたのはないか」(P12)というところにあるからです。
これまで戦い乱れていた日本が、ヤマトが建国の頃にそれまでの争乱が嘘であったかのように、安定した社会が出現したからです。
強力にして絶対的な権力が確立されたわけではありません。
だのになぜ?
関さんが提示する仮説は、「祟る王」というシステムの効能だというのです。
力はないけれども、手にかけると何が起きるかわからない恐ろしい王の存在があったからだというのです。
天皇は現人神として恐れられてきました。
「現人神」はのちに「荒人神」と書かれるようになりました。
つまり、荒々しい恐ろしい神であり、祟る神であるのです。
そして具体的な話に入っていきます。
中心は「神」という文字の入った天皇、「神武天皇」「祟神天皇」「応神天皇」それから「神功皇后」。
詳述しませんが、「古事記」「日本書紀」そして民間伝承をもとに縦横無尽に語られます。そして大胆な仮説も述べられます。
・・・が、
古代史に知識のない僕には、ついていくのに大変でした。話があっちいきこっちへいきで、前後関係のつながりがわからないのです(苦笑)
「古事記」「日本書紀」を含めた古代史にそれなりの知識があれば面白いだろなと思います。しかし、初歩の知識があまりにもなさすぎた。消化不良を起こしてしまいました。
この本を読むにたえるだけの知識ができたら再読したいと思っています。その時は凄く面白く感じるでしょう。
この本で一番納得したのは、日本書紀編纂の目的に関する説。
「日本書紀は天武天皇の死後34年後に完成しているのだから、正確には「天武のために書かれた」のではなく、『天武の死後34年後の政権にとって都合の良い歴史書』だったはず」(P176)
この時の天皇は持統天皇、朝堂のトップは藤原不比等。
つまり、日本書紀は持統天皇と藤原不比等が、正統性の証明のために、また自己の正当性を主張するために作ったということ。
裏を返せば、都合の悪い過去の事実の隠蔽と改竄がなされていること。
これと似たような事は歴史を通してなされてきましたが、最近もよく耳にします。
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