僕はいかにして指揮者になったのか

1102960091.jpg
佐渡裕は自分を「雑草」と呼び、バーンスタインは佐渡を「ジャガイモ」と比喩した。それからもわかるように佐渡さんは決してスマートではない。体型も含めて。

来年5月にベルリン・フィルを初めて指揮することになっている。
指揮科で学んだことがなく、どこかで正規の指揮の教育を受けたわけではない。じゃあ、どうやって指揮者になったの?と疑問がわく。
それに答えてくれるのが「僕はいかにして指揮者になったのか」というわけだ。

一読して、佐渡さんは指揮者が一般に通る指揮者養成コースをとらなくてよかったなと思わされた。
音楽の神様がいるとすれば、わざと外れたコースを歩ませ、小澤征爾とバーンスタインに見出されるようにしたと言える。
スマートで秀才タイプでないから、通常のルートなら落ちこぼれるかどこかで潰されていたかもしれない。

これを読んで、人生の不思議を思う。

また、こうして一線を走り続けている原動力は、音楽への熱い思い。これが本書にいくつも書かれている。なんの照れもなく気負いもなく、しかもおおらかに。
ここがスゴイと思うのだ。普通は照れるだろう、遠慮して控えめに書くだろうと思うのだが、それがない。そして書かれたことが鼻につくこともない。

そうそう、TVで見る佐渡さんがそのまま喋ったら、この本になったみたいな感じだ。

僕にとっての佐渡さんは、クラシックの指揮者と言うよりも、シエナ・ウィンドオーケストラの指揮者というイメージが強い。
金聖響にしても彼にしても、クラシックも吹奏楽も分け隔てなく振ってくれるのが嬉しい。


最後にちょっと面白い一節を引用します。
バーンスタインが佐渡さんに握手をしようと言い、両者超スローモーションで手を動かし握手します。そしてバーンスタインが「お前の顔は、能面にそっくりや」と言います。
続いて
「能の面ちゅーのは、音楽や動作などのあり方によって変化するもんや。同じ顔をしていながら、まったく違う表情に見えることがある。それだけ何か力を秘めているんや名。今の握手も能と同じで、見た目には静かな動きやのに、そこには膨大はエネルギーが秘められている。オレの手は、確かにサドの発する熱を感じた。こうした特別な能力を、日本人は生まれつき持ってるんや」 (P94)

↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
素晴らしい すごい とても良い 良い
FC2 Blog Ranking
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

よんちゃん

Author:よんちゃん
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード