貧しき流民の子よ

「俺様は、20歳のときに聞いた旅の易者の声を今も覚えている。

張作霖。
汝、貧しき流民の子よ
父もなく母もなく、銭も馬も家も、恃みとする人のひとりとてない、天の涯(は)つるところ地の滅ぶかぎりまで何物も何びともなき、汝、張作霖よ。

易者はそう呼びかけてくれた。」 
 (浅田次郎「マンチュリアン・リポート」P217)

ここにあるように、張作霖は天涯孤独で、これ以上ないくらいの貧乏のどん底にいました。
たまたま何かのトラブルにあった老婆を助けました。これが旅の易者だったのです。
易者は張作霖に呼びかけ

汝は、東北王になると予言します。

東北、つまり満州の覇者になると言ったのです。


同じ言葉が浅田次郎著「中原の虹」第1巻のはじめにも出てきます。
そして最終巻の最後に、張作霖が同じ旅の易者に出会い、話をします。

「 ― 思い出したぞえ。親も銭も家もない流民の子が、侠気ひとつで満州の王になったとか。

『ありがてえご託宣が励みになったぜ』

   (中略)

 ― どこぞ遠くへ行くのかえ。

『ああ、東北王も悪かねえが、長城を越えようと決めた』

 ― 何と、媼の占じた卦にたがいなければ、汝にそこまでの力はないぞえ。やめおけ、悪いことは言わぬ。汝の天命は東北の覇王じゃ。

『その天命とやろに逆らえば、俺様はどうなる』

 ― 知れたことぞ。五体ことごとく玉と砕けよう

   (「中原の虹」第4巻P361?362)


万里の長城を越え、袁世凱死後の混沌とした状態にあった北京に乗り込んだのが1916年。 
爆殺事件が1928年6月4日です。

FC2 Blog Ranking

■この記事を評価して、関連の人気記事もチェック!
★★★★(素晴らしい)
★★★☆(すごい)
★★☆☆(とても良い)
★☆☆☆(良い)
by TREview



張作霖シリーズ続編あり

  ・ ・ ・ 不定期ながら(苦笑)
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

No title

こんにちは。張作霖という名前を見て、思い出したことがあります。
なんにも考えないですむような、C級映画ばかり観ていた(今でも変わらず)頃、東映に東千代介という二枚目俳優がいました。東千代介は殆んど時代劇でしたが、一本だけ現代を舞台にした作品に主演したことがあります。それが「夕日と拳銃」という満州を舞台にした映画でした。
華族の子息という立場に飽き足らず満州に渡り、張作霖のもとで荒野を暴れまわるという伊達麟太郎という青年の物語です。
非常に新鮮な驚きで観た記憶があり、思わず書き込んでしまいました。
あ、東千代介もご存じないでしょうし、ここは三流映画の話ではありませんでしたね!こりゃまた失礼しました!

ああ!

貴サイトの記事から、「中原の虹」を読もうと
思ったことを、思い出しました(汗)

絶対読もう!!

「三国志」にしろ、「水滸伝」にしろ面白いのは
なぜでしょうか。

スケールでしょうかね。

東千代介

NANTEIさん、こんにちは。

返事が遅くなり申し訳ありません。

僕は映画は好きですが、あまり本数を見ません。
なので「夕日と拳銃」も知らず、時代劇もほとんど見ていなくて東千代介も知りません。

すみません。

でも張作霖に関係のある映画だったら見てみたいですね。
はたしてTSUTAYAに置いてあるでしょうか?

中国もの

四季歩さん、こんにちは。

浅田次郎の「中原の虹」は文庫本が先月と今月で計4巻発売されました。
TVで放送中の「蒼穹の昴」に合わせたものと思われます。

実は「中原の虹」は図書館で借りて読んだのですが、今度は書店で購入してじっくり再読したいと思っています。
(これは僕にとっては珍しい事です)


「水滸伝」は四季歩さんに勧めていただき、北方謙三のものを全巻読破しました。続編になる「楊令伝」も読みたいと思っています。

それから「三国志」ですが、20代の頃吉川英治で読みましたが、次は北方謙三か宮城谷昌光か、どちらかで読もうと思っています。

それにしても中国ものは面白いですね。
プロフィール

よんちゃん

Author:よんちゃん
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード