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閉じられなければならない

8月8日の記事「読み終えた『騎士団長殺し』を書き終えて、数日後のこと「そうだ !!  小説の冒頭部分を読まなけらならない」

忽然と思いました。


村上春樹の「騎士団長殺し」は2巻からなる小説です。1巻目が「第1部 顕れるイデア編」、2巻目が「第2部 遷ろうメタファー編」です。
プロローグ”(4ページある)ではじまりますが、第1部の内容と全く関係ない話です。読み始めてしばらくのころは、「なんなんだろう?」 あまりの関係なさに違和感を感じていました。
けれども小説を読み進めていくうちにどこかへ消えていきました。まさに記憶が薄れていくように。

そうして、小説を読み終えてからしばらくして、このプロローグを思い出したのです。


なぜ、読まなければならないと思ったのか?

小説のなかに数回「環は開かれてしまったので、閉じられなければならない」といった内容の文が出てきます。

「環」という漢字は「輪」かもしれません。どちらか確かめようと思って、2冊の本をパラパラとめくって探しましたが、見つかりませんでした。残念。

騎士団長殺し全2巻


「環は開かれてしまったので、閉じられなければならない」は、ストーリーの中で意味深く使われていました。

僕が思うに、環は開かれてしまったというのは、パンドラの箱を開けてしまったに近い意味合いでしょう。
あるいは、一つの環があって、それは完結した世界なのですが、どこかを開けてしまったために、中にあるものがどっと出てきた、とも考えられます。
いずれにしても不思議な出来事がたくさん起こり、主人公は戸惑うばかりです。

確かこれらの言葉を最初に言ったのは、第1部に登場するイデアだったと思います。(もう記憶が曖昧になっています・・・)
イデアは、主人公が期せずして、環を開けてしまったという現状を知らせ、そのままにしておいてはいけないので、今後すべきこととして、環は閉じられなければならないと言った、と解釈できます。

主人公は、イデアの言ったことを全く理解できませんでした。
読者である僕も、唐突に出てきた言葉だったので、何のことかわっぱりわかりませんでした。しかし、強烈な印象は残しました。


これは、たしかに印象的な言葉でしたが、小説の中では、意味深と思われる言い回しがいくつも出てくるので、この言葉はその他多くのものと並列で並んだうちの一つでした。

それが「騎士団長殺し」を読み終えて、しばらくたった時、突然「環は閉じられなければならない」が頭に浮かんできて、この小説の冒頭部分つまりプロローグを読まなければならないと思ったのです。


プロローグの内容は、第2部の最終部分から数日後、あるいは週数間後、いや数ヶ月か数年たってからの出来事です。つまり後日譚になります。

普通の小説のように最後まで読んで、小説が終わるのではなく、第1部冒頭まで戻ってプロローグを読んで終わるのです。

否! 
「戻って」ではないですね。第2部最終部分から環のようにループを描いて第1部冒頭につながる。そうすることで環が閉じられる

そういう構成だと思います。
深読みすれば、「騎士団長殺し」という本を開いた時に、環は開かれ、2冊全部読んでからプロローグを読むことで、環は閉じられる。


突拍子もない解釈かもしれません。でもこの解釈は気に入っていて、自己満足に浸っています(笑)

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