心を用いて

「どれほど軽い身分の者が相手でも心を用いるように」

田沼意次が残した家訓です。
前回、身分の上にも下にも大変な心遣いをした意次について書きました。今回はやや関連した内容です。

田沼は小姓から異例の出世をして老中になります。その老中には対客日というものが公式に定められていました。

読んで字の如く客に会う日のことで、月番の老中は月に9日、非番の老中は月に2日ありました。
時間は朝の6時から10時まで。(10時に登城するので、それまでの時間ということ)

本当は明け六ツ(夜明け)なので、季節により時間は変わるのでしょうね。それにしても夜明けから人に会うのは大変だなというのが個人的感想。夜明けに起きるのでもなく、出勤するのでもなく、人に会って話を聞く・・・、僕には無理だな。それも4時間続けて。

対客は陳情や挨拶のうけつけ。
現代の政治家の陳情や挨拶のうけつけと同じようなもので、江戸時代の政治家が民意をくみ上げるほとんど唯一の場であったようです。

そこにはいろんな人が来ました。
「出入りの役人、小役人、坊主、絵師、能役者、御用達の商人、諸職人など、他にも客は種々雑多」(主殿の税P55)

こういった人達に田沼意次は「心を用いて」丁寧に応待しました。
老中だからと言って権高にそりかえるのではなく、膝をつきあわせてのスキンシップのような応待だった。

これは意次の人柄からきたものか、小姓から勤めてきた中から身についたものか、成り上がり故に周囲の嫉妬を警戒してものものか、と考えます。
いずれにしろ、相手が誰であろうと心を用いることは大切なことだと思います。


ちなみに対客の日に、賄賂のつけ届けはありました。
田沼に限らず、どの老中にもあったことです。

※佐藤雅美「主殿の税」を参考に書きました。
FC2 Blog Ranking
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

No title

こんにちは。私のブログ「たかさんの吹奏楽・フルート日記」にご訪問いただき、またコメントも頂戴いたしましてありがとうございます。

よんちゃんさんのブログを拝見いたしまして、勝手ながら私のブログにリンクさせていただきました。もしご迷惑でしたらご連絡ください。

今後ともよろしくお願いします。

No title

たかさん、こんにちは。

「たかさんの吹奏楽・フルート日記」は質の高いブログで、ものすごく勉強になります。
特に指揮に関する事は、自分が指揮者だけに大いに頷き、考えさせられ、また教えられることが多くあります。

それに拙ブログをリンクしていただけるのはありがたいことです。

当ブログもリンクをはったらいいのですが、ついつい面倒くさくて(苦笑)
もし、リンクをはったときは「たかさんの吹奏楽・フルート日記」は入れさせていただきます。
プロフィール

よんちゃん

Author:よんちゃん
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード