自分探し
いつ頃からでしょうか「自分探し」という言葉がよく言われるようになったのは。
よくわからない言葉だなぁと思う一方で、なんとなく違和感を感じてしました。これが強い違和感に変わったのが数年前のこと、よく知っている若者が「自分探しの旅に出ている」ということを聞いた時でした。
自分探しって何? どういうこと? 何をすることなの? 自分探しということ自体が虚構ではないの? 仮にあったとして、自分というものが見つかるの? ところで、「自分」って何?
といった疑問が頭の中をぐるぐる回りました。
そんな経験があるのですが、今読んでいる最中の「街場のメディア論」(内田樹 著)のこんな文を読んだ時に上記のことを思い出しました。
それは第1講「キャリアは他人のためのもの」にあります。内田さんがキャリア教育ということで、大学で講義した内容を書籍化したものです。
まず入れ歯のたとえが出てきます。入れ歯を作った時に「合う人」と「合わない人」がいるそうです。これはマインドセットの問題で、入れ歯というのは異物ですから、初めからジャストフィットするわけないのです。それを多少の違和感は許容範囲として受け入れる人(これが「合う人」)と、ジャストフィットするものを求めて作り替えようとする、あるいは歯科医を転々とするひと(これが「合わない人」)とある。
このマインドセットは結婚や就職でも同じだと内田さんは言います。
「天職を求めて自分探しの旅人になる人と、装着感ゼロの理想の入れ歯を求めて歯科医をさまよう人は、実は同類なんです」 (P21)
ここでした。

学生が就職活動をするときに「自分の適性」を考えます。そして適性にふさわしい天職を探そうとします。ここで内田さんは言います。
「この『適性と天職』という発想そのものが実は最初の『ボタンの掛け違え』だと僕は思います」
ガツンと一発きましたね(笑)
「『適性と転職』幻想にとらわれているから、キャリアを全うできなくなってします。僕はそう思います」 (P17)
だって。講義を聞いている学生はビックリしたでしょうね。僕もビックリしましたけど(笑)
若者で就職してもすぐやめていく子がいますね。その理由が「私の適性にあっていない」とか「私の能力や個性がここでは発揮できないから」などがありますね。内田さんはこれを間違っていると言ってバッサリ斬ります。
「適性とか潜在能力があって、それにジャストフィットする職業を探す、という順番ではないのです。そうではなくて、まず仕事をする。仕事をしているうちに、自分の中にどんな適性や潜在能力があったのかが、だんだんわかってくる。そういう順番なんです」 (P18)
「なるほど」
しがない中年オヤジの僕ですが、自分の人生経験を振り返って、なんとなくわかる気がしますね。経験的にわかるという感じかな(笑)
「自分が何に向いているか知らないままに就職して、そこから自分の適性を発見する長い長い旅が始まるんです」 (P18)
これ、なかなかの名言ですね(笑)
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よくわからない言葉だなぁと思う一方で、なんとなく違和感を感じてしました。これが強い違和感に変わったのが数年前のこと、よく知っている若者が「自分探しの旅に出ている」ということを聞いた時でした。
自分探しって何? どういうこと? 何をすることなの? 自分探しということ自体が虚構ではないの? 仮にあったとして、自分というものが見つかるの? ところで、「自分」って何?
といった疑問が頭の中をぐるぐる回りました。
そんな経験があるのですが、今読んでいる最中の「街場のメディア論」(内田樹 著)のこんな文を読んだ時に上記のことを思い出しました。
それは第1講「キャリアは他人のためのもの」にあります。内田さんがキャリア教育ということで、大学で講義した内容を書籍化したものです。
まず入れ歯のたとえが出てきます。入れ歯を作った時に「合う人」と「合わない人」がいるそうです。これはマインドセットの問題で、入れ歯というのは異物ですから、初めからジャストフィットするわけないのです。それを多少の違和感は許容範囲として受け入れる人(これが「合う人」)と、ジャストフィットするものを求めて作り替えようとする、あるいは歯科医を転々とするひと(これが「合わない人」)とある。
このマインドセットは結婚や就職でも同じだと内田さんは言います。
「天職を求めて自分探しの旅人になる人と、装着感ゼロの理想の入れ歯を求めて歯科医をさまよう人は、実は同類なんです」 (P21)
ここでした。

学生が就職活動をするときに「自分の適性」を考えます。そして適性にふさわしい天職を探そうとします。ここで内田さんは言います。
「この『適性と天職』という発想そのものが実は最初の『ボタンの掛け違え』だと僕は思います」
ガツンと一発きましたね(笑)
「『適性と転職』幻想にとらわれているから、キャリアを全うできなくなってします。僕はそう思います」 (P17)
だって。講義を聞いている学生はビックリしたでしょうね。僕もビックリしましたけど(笑)
若者で就職してもすぐやめていく子がいますね。その理由が「私の適性にあっていない」とか「私の能力や個性がここでは発揮できないから」などがありますね。内田さんはこれを間違っていると言ってバッサリ斬ります。
「適性とか潜在能力があって、それにジャストフィットする職業を探す、という順番ではないのです。そうではなくて、まず仕事をする。仕事をしているうちに、自分の中にどんな適性や潜在能力があったのかが、だんだんわかってくる。そういう順番なんです」 (P18)
「なるほど」
しがない中年オヤジの僕ですが、自分の人生経験を振り返って、なんとなくわかる気がしますね。経験的にわかるという感じかな(笑)
「自分が何に向いているか知らないままに就職して、そこから自分の適性を発見する長い長い旅が始まるんです」 (P18)
これ、なかなかの名言ですね(笑)
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