色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

昨日の新聞に、村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の英訳が発売されて反響を読んでいるという記事が載っていました。

数ヶ月前に読んでブックレビューを書こうと思い、あれこれ考えているうちに時間が経過して放置してしまいました。何もなければそのままになっていましたよ(苦笑)
この機会を逃してはならないと思い、この記事を書きます。内容も多くは忘れているし、読後すぐに持った感想もどんなものであったか・・・。随分と間抜けなブックレビューとなります(笑)

五角形、しかも見事な均衡を保った美しい五角形。読み始めてしばらくしてこの図形をが頭に浮かびました。今まで村上さんの小説を読んで、図形というものをはっきりイメージしたことがありませんでした。そういう点で異色なのか?新境地なのか?わかりませんが。

五角形の崩壊と、それによって受けた心の傷とその修復。長々しいタイトルを持つ小説を、一言でいってしまうとそうなります。

崩壊は一気にやってきました。予兆がなくやってきたので、その衝撃は強大でした。多崎つくるには人生そのものといっていいほどの物だったので、精神的ショックは大きく半年ほど死ぬことだけを考えていました。

ここでいう五角形というのは、5人が作る人間関係です。男性3名と女性2名。多崎つくる以外は苗字に色を表す文字が入ります。赤・青・白・黒と。多崎だけ色がありません。
つくるがようなく立ち直りつつあった時期に登場する人物は灰田という苗字。これにも色があります。

色が何を象徴しているのか、又は何を表そうとしているのか、僕には解けない問題ですが・・・

小説中でつくるは、色彩を持たないことにコンプレックスを持っていますが、他のメンバーの評価は全く違いました。(これは小説を読んでのお楽しみ 笑)

色彩

佐藤優が「1Q84」は思想小説だと言いました。ふ~ん、そうなのかと思いましたが、この小説にはそれがふさわしいように思われました。心の動きを克明に追って、それに哲学的省察を加えているからです。それに比喩表現の多さも、その印象をつよているかもしれません。


村上さんの小説は音楽が不可欠のものになっています。この小説はリストの「巡礼の年」。渋い曲集です。
「巡礼の年」は、リストが作曲したピアノ独奏曲集。《第1年:スイス》《第2年:イタリア》《ヴェネツィアとナポリ(第2年補遺)》《第3年》の4集からなっています。
この小説では、第1年「スイス」のなかの「ル・マル・デュ・ペイ」(郷愁と訳されている)が中心的役割を負っています。通奏低音のように。
 ⇒ https://www.youtube.com/watch?v=uNmaBm9_nno で聞けます。


僕の周りでのこの小説の評価は芳しくありません。またネットを見ても普通以下の評価をする人が多いような気がします。けれども僕にとっては面白い小説でした。

巡礼の旅(?)に出たつくるは心の傷が癒されたのでしょうか?
また最後はハッピーエンドになるのでしょうか、それともその逆は?
結末に意見が分かれるでしょうね。僕は想像力を大いに掻き立てるという点で肯定的です。


だいぶ忘れていると思いましたけど、キーボードをたたいているとわりと文が出てきましたね。ちょっと満足です。
ブックレビューを書かなきゃという、どこかにあったひっかかりがようやく取れました(笑)


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No title

こんにちは。
わたしも好きな作品です。
別に「ハルキスト」と呼ばれる人間ではないので、
普通の小説の中の1つとして読みました。
その若い時代の疎外感とかなんかわかるなーと思ったのです。
自分だけ苗字に色がない。
ただそれだけの理由で一人で疎外感を味わう。
昔の村上作品再読したいのですが・・・
大体上下巻モノが多いせいか、イマイチ手が出ません(笑)

ハルキスト

igaiga さん、こんにちは。

5年前ですか、「1Q84」を「面白かったぞ」と友人が貸してくれたのがきっかけで村上春樹を読み始めました。

ここ2,3年で彼の小説のほとんどを読みました。多くは図書館で借りて(笑)
借りた以上は読まないといけないという強制力が働くので、必死(?)で読みました(笑)
購入していたら、それだけで安心して半分も読まず放置していると思います。「多崎つくる~」も購入本です。発売と同時に買ったのですが、今まで放置していました(苦笑)

再読の秘訣は図書館利用でしょうか(笑)


旅行記や随筆で未読がありますが、小説はほぼカバーしました。どういう状態になったら「ハルキスト」になるのでしょう?
他人の認定など必要でなく、たぶん自称でしょうね。

それでいくと、僕は「ハルキスト」ではありませんね。
短編のわけわからない小説はお世辞にも好きと言えませんから(笑)

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