石油のための戦争

「太平洋戦争は極論すれば『石油のための戦争』であった。
戦前、日本はアメリカから石油の8割を輸入していたが、それを断たれたためにアメリカとの戦争に踏み切ったのだ。そして南方の油田を確保したが、制海権を失って、その石油を国内に還送する手段を奪われたとき、戦争継続は不可能になった」

「海賊とよばれた男 上巻」にある一節です。(P108)

「極論すれば」がポイントですね。
戦争にはいろんな要素が絡みますから、一言で言い表すことができません。

僕は、戦争について単純化して語る人を信用しません。戦争を善悪で裁こうとする人とは距離を置きます。正義がどうのこうのと言う人には眉をひそめます。

複雑に絡み合った国際関係や国内事情だったり、お金や具体的な物量という要素も入れて、戦争を考えなければいけないと思います。
そういう点で、石油というのは大きな要素だと思います。軍艦を動かすにも、戦車を走らせるにも、飛行機を飛ばすには石油が必要ですからね。

そういったことで「極論すれば『石油のための戦争』であった」という表現は、大いに頷くところです。



話はそれますが、この小説で、第2次世界大戦中のことを書いてあるところを読んで、若かりし頃日本は再び軍国主義の国にならないと考えていたことを思い出しました。

つまりこういうことです。
日本は資源輸入国である。仮に戦争を起こし他国へ侵略したとしても、すぐ敗ける。なぜなら、石油をはじめ諸々の物資を運ぶ船が狙われ、多くが撃沈されるだろう。そうなると、あっという間に日本国中は干上がってしまう。現代の戦争は物量戦である。物量が欠乏すれば、敗戦は明らかである。こんな自明なことを政府や霞が関の人間が分からないわけではない。だから軍国主義への道へは進まない。戦争を起こせば、日本は滅びるから。



この小説には、こんなことも書かれていました。

「アメリカは日本の工業生産力を殺ぐべく、南方からの資源を運ぶ輸送船を狙った。その任務を背負ったのは潜水艦で、彼らの最優先標的は軍艦でなく輸送船だった。 (中略)
大東亜戦争で失われた徴用船は、 ~ 計7240隻。戦没した船員、漁民は6万人以上に上る。彼らの戦死率は約43%と推察され、これは陸軍軍人の約20%、海軍軍人の約16%をはるかに上回る数字である」(P373)

もしどこかの国と戦争になったら、敵国は同様のことをしてくるでしょう。
若かりし頃なにも根拠なしで考えていたわけですが、まんざら間違いではなかったなと思いました。

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