利休にたずねよ

「利休にたずねよ」を読みました。現在上映中の映画の原作です。

茶道の心得のある人が読むと、すごく面白いでしょうね。けれども僕にはありませんので、面白さが半減した状態で読んだことになります。

この本をどう読むか。

いろんな角度で読める気がします。歴史小説として、茶道論として、美とは何かを考える題材として、人間ドラマとして等です。

歴史小説としてならば、まさに千利休は秀吉によって切腹させられますが、なぜそうなったのかを追っています。
ここで面白いのが、時系列を逆にしていること。つまり初っ端に切腹の日の話があり、次の章で切腹の前日、次は15日前、そして16日前というように時間を逆にたどっていきます。この章立てが新鮮でした。

また、文の凝縮度が高く、各場面の緊張感を高めています。

ただ、どれほど史実に基づいているのか疑問に思われるところがあります。
一つだけ挙げると、この小説の根幹になるところで、利休に想い女(おもいびと)がいたという設定です。これが「美」とはなにかに係わってきます。
そこのところを突っ込んでいうと「美とエロス」の話になってきます。僕には不得手なところなので、ここで話を切ります(笑)

歴史小説ではフィクションとノンフィクションは混ざり合いますが、枝葉の部分でフィクションがあってもいいのですが、根幹の部分では史実にこだわってほしいというのが願望です。

けれども茶道論だったり美を語る場合は、想い女(おもいびと)がいたという設定がどうしても必要ではなかったのかなと思います。

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人間ドラマとして読むならば、利休と秀吉の相剋を辿るところはなかなか読みごたえがあります。

天下人となって、最高権力者としてすべての物の頂上にいたい秀吉と、美の司祭として、この位置だけは譲れない利休の心理劇、両者の葛藤の深いところを読ませてくれます。


もし秀長が生きていたら、利休の切腹はあったか?

ほんの数行ですけれども、秀吉の弟秀長のことが書いてあります。

もし・・・ですが、秀長が10年長生きしていたら、利休も死ななかったし、朝鮮出兵もなかった。さらには豊臣政権の瓦解は・・・、これは半々ですかね(笑)


まあ、いろいろと考えさせてくれた小説でした。


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