県庁おもてなし課

有川浩を初めて読んだのは3,4年前です。「阪急電車」が初有川作品です。それから「図書館戦争」シリーズ全冊その他を読みました。今ドラマでやっている「三匹のおっさん」は未読です。

よく「ベタ甘」と言われますが、僕はそんな印象を持っていません。「シアター!」を読んだあたりから、ビジネス小説としても読める思うようになりました。そして正月に読んだ「県庁おもてなし課」は観光小説という位置付けになっていますが、ビジネス小説としても十分読めると思っています。
この小説は観光に係わる方々にぜひとも読んでほしいと思う本で、特に公務員で観光に係わる部署の方には必読の書としたい。


と言いつつも、今日の本題は、昨年末に著者不明の言葉として引用した

大物だと言われる人は純粋ではない。純粋な人は粒が小さくて、大きな舞台に立てぬ

の一つの実例としてあげられるのではないかと、独断と偏見で思った箇所があったので引用します(笑)

「民間企業でもプロジェクトに対するバカバカしい横槍は発生する。吉門(この小説の登場人物・・・筆者注)自身も作家になる前、勤めていた商社で体験した。
利益を生み出す企画だと分かっていても、それを手柄にできるのが自分でないならいっそ潰してしまえという理屈は存在する。概ね管理職のそうで起こる軋轢だ。
だが、企業なら横槍を仕掛けられる側もそれを甘受することはない。右の頬を張られたら左の足を素知らぬ顔で踏み返す。グレーゾーンで反則スレスレの駆け引きを展開しても、話が通ればそれで勝ちだ
勝てば官軍、利益を出せば勝ち方に文句をつける奴はいない。よほど汚く勝つと将来的にしっぺ返しが待っている ~ 上昇志向の強い奴は下っ端の頃から巧い勝ち方を勉強している」 (P305)

20代30代と勤め人でしたが、大きな組織では働いたことがありません。なのでここで表現されたことは驚きと同時に新鮮でした。
言い換えれば、横槍とそれへの対処の仕方を実体験として持ったことがないわけで、具体例をいろいろと知りたいと思うのであります。歴史小説やビジネス小説を読むような感覚で。

それは横に置いておいて(笑)

「純粋な人間」、これをどうイメージするかは人それぞれですが、僕はこういうタイプは右の頬を張られたら左の足を素知らぬ顔で踏み返すことのできない人間もその範疇に入ると思いました。反則スレスレでやり返すことのできない人間だと。たしかに大きな舞台に立てないなとも。それよりも小さな舞台でも勝てず、それなりの部署でトップを任されることはないため、途中でその他大勢のなかに埋もれてしまうんでしょうね。

(お断りしますが、人格的に素晴らしいかどうかは別次元の問題です)

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引用を続けます。

「だから、横槍をまともに受け止めようとするおもてなし課の反応には面食らった。吉門の常識では横槍を入れられたら相応にやり返すのがセオリーである。 ~

『あの人らぁは、最初っから手を縛られちゅうがよな。正攻法しか使えん前提になっちゅう』

非効率を義務付けられていると言っても過言ではない。全ての業務にマニュアルがあり、即効性を求められること側も手続き論で停滞する。 ~

役所のシステムにはそこで働く者の堕落が織り込まれている。お前たちは堕落する者だと最初から決め打ちされたシステムの中で、能力を発揮できる人間がどれだけいるだろうか。 ~

頭が固い、融通が利かない、だから役所は。 -だが、そのような行政であることを彼らは義務付けられてきたのだ。求められたのは創造性や柔軟性より硬直性だ」 (P305~306)


仕事が人間を作ると感じることがあります。
特に小学校の同級生と久しぶりに会って話をした時、小学生の頃のイメージと今前の前にいる人間とのギャップが大きいのに驚かされるという経験があります。
総合商社に勤めといる人間、営業をずっとやってきた人間、職人、先生、公務員その他とやっぱりその職業の人間という感じになっていますね。

有川さんのこの文章は、お役所や公務員について考えさせられます。



「県庁おもてなし課」シリーズ、もう一つ書く予定です。勿論、引用オンパレードで(笑)

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