小説ヤマト運輸

今や宅急便は、あって当たり前の存在。ないと平成の世では、不便を感じること多々あるのではないでしょうか。

特にスピード感ですね。発送すれば翌日に着く(勿論、地域によってそうでないところもありますが)、これが便利です。それ以前の郵便局の小包などは1週間もかかっていたのです。今では信じられないようなことですが、事実です。
配送革命ともいわれる“クロネコヤマトの宅急便”の誕生をメインに書いたのが、高杉良の「小説ヤマト運輸」。盆休みに読みました。

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大和運輸の創業者小倉康臣(やすおみ)の苦労話に始まって、二代目の昌男の業績が語られます。

小倉昌男が、新規の事業である“宅急便”を立ち上げて軌道に乗せたところまでが中心です。
その中で印象的なのが、宅急便の構想を打ち出した時、社内はほとんどが反対だったこと。経営陣で賛成者はたった一人(昌男の後に社長になる人物)で、彼を使って労働組合の賛同を得させたところ。

役員会は社長の強行突破でなんとかいけたとしても、組合が反対すれば構想を実現化できないというところ。(僕は大きな企業に勤めたことがないので、このあたりの機微がわかりません)

そもそも大和運輸の労働組合は先代の康臣が、作るように社員にけしかけたこと。普通は嫌がるはずですねけどね。

横道にそれますが、小倉昌男は労働組合に次のようなことを言っています。
「会社で情報をいちばん多く持っているのは誰かと言えば、決して社長ではない。なぜなら、悪い情報は絶対社長のもとにあげられてこないからだ。
悪い情報は、えてして労働組合に集まる。だから私は、労働組合に『きみたちは私の大事な神経だ。会社が病気になったとき痛みを伝えてくれるのがきみたちだ。だから会社がうまくいっていなかったら必ず伝えてくれ』というようになった」 (P348)

トップに悪い情報が行くか行かないかは、重要なことですからね。


お役所というのは、悪いことをすることがあります。妨害だったり、意図的サボタージュだったり。
大和運輸の宅急便を軌道に乗せていく途中に、郵政省や運輸省が様々な嫌がらせをしてきます。ネチネチとした様は「お役所は嫌らしい」と思わせます。
この実態は今もあるんでしょうね。「規制緩和」とも絡んできますが、私企業の新規事業を規制の枠でからめ捕ろうとします。これでは日本の産業は伸び悩むわと思ってしまいます。

こんなことも書かれています。
「いまの霞が関というのは本当にひどい。“省益あって国益なし”というが、最近は省益どころか局益です」 (P331)

こうしたお役所の妨害に対し、小倉昌男は敢然と闘って勝利していきます。詳しくは本書をお読みくださいね(笑)

佐川急便の無許可営業や政治家との癒着のことも書かれています。


あと、クロネコのロゴの誕生秘話だったり、スキー宅急便ゴルフ宅急便クール宅急便の開発ストーリーは面白いです。


この本のキーワードは「サービス」だと思います。本書のところどころに出てきます。
利益は後回しで、サービスを徹底的に突き詰めていったことが成功の要因だと思います。


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