大いなる眠り

レイモンド・チャンドラーの「大いなる眠り」を読みました。

村上春樹が訳したチャンドラー作品の4作目です。
僕が読んだ順にいくと「ロング・グッドバイ」「さよなら、愛しい人」「リトル・シスター」、つまり発売順に読んでいます。

ちなみに長編小説の執筆順は、
1 大いなる眠り(1939年)
2 さらば愛しき女よ(1940年) 
3 高い窓(1942年)
4 湖中の女(1943年)
5 リトル・シスター(1949年)
6 ロング・グッドバイ(1953年)
7 プレイバック(1958年)
となります。

これらはみな、フィリップ・マーロウという私立探偵を主人公としています。

マーロウの有名なせりふに
タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない
があります。

僕が読んだ4作すべてにおいて、マーロウはタフです。危ないところや困難な場面を、このタフさで切り抜けています。
しかし読者である僕を引き付けるのは、タフさだけではありません。信念の人で、ブレないところがいいのです。
いささか融通が利かずに人間関係について危なっかしかったりするところも、逆に読む者の気をひきます。日本のTVドラマに、頑固な人間が周囲と多少のトラブルを起こしたりしても、やれやれと思いながらでも助けたり応援したくなるタイプがありますが、マーロウはそれに近いかもしれません。
危なっかしいから愛される、ちょっと変な言い方ですが、そんな感じです。

さて「大いなる眠り」ですが、

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ミステリー(推理小説)のブックレビューは、ネタバレはよくない思うので粗筋や小説の内容は言いません。悪しからず。

これまで読んだ3作と同じパターンで進みます。謎が謎を呼び、事件が事件を呼ぶのです。マーロウは明晰な推理を働かせ、体をはりながら事件を追っていきます。読むものとしては、劇場の観客席からそれを見るのではなく、行動を共にしているような感覚で読んでいきます。

そう、臨場感を感じさせる文章なんです。

これがマーロウものの特徴かもしれません。


それから、何といっても会話が粋です。
ウィットが効いていたり、シニカルだったり。ユーモアもあれば、相手を怒らせるセリフもある。

日常会話で気の利いたセリフを言いたいとき、マーロウのようであればと思うことがあります。
ハッキリ言って無理なんですが・・・、でも「大いなる眠り」」だけでなく、他のチャンドラー作品からセリフだけを抜き出して研究すると、実践にすこしは役立つと思います(笑)

名セリフ集を作って楽しむというのであれば、かなりいいものができると思います。

・・・と言って誰もしませんが(苦笑)

けれども、気軽に小説を手にとって適当に開け、そこにあるマーロウのセリフを読む。それだけでも十分楽しめますよ。



村上春樹の訳した4作すべてに「訳者あとがき」があります。
これは見事な「チャンドラー論」になっています。これだけでも一読の価値ありです。

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訳者によって?

よんちゃんさん、こんにちは。
昔、レイモンド・チャンドラーは何冊か読んだのですが、訳がどうもしっくりこなくて、読むのをやめてしまっていました。
村上春樹さんの訳のものが出ているのですね?
またチャンスがあれば読んでみたいです。
ありがとうございました。

No title

violetta☆さん、こんにちは。

返信が遅くなってすみません。

僕は、村上春樹によってレイモンド・チャンドラーを知りました。
記事にあげている4作はすべて村上訳です。

他の翻訳者の手によるものは読んだことがありません。なので単純な比較はできませんが、村上訳は僕にとって「しっくりこない」ということはありませんでした。
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