北条政子

「炎環」に引き続き「北条政子」を読みました。
どちらも永井路子の作品で、鎌倉時代初期を題材にしています。

「炎環」は源頼朝と北条政子の周辺人物である阿野全成(源頼朝の異母弟)梶原景時北条保子(北条政子の妹)北条義時の4人をそれぞれを主人公にした連作短編集です。

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順番を意識していたわけではありませんが、これを読んでいたおかげで「北条政子」を立体的に読むことができました。
同じ時系列のなかにあっても、立場が変われば思いや行動は変わります。この場合は5つの思惑と行動、そして互いに影響し合って、一つの流れができる。これらを複眼的に見れたのはよかったと思います。

そして、どちらも生々として人間を味わうことができる作品です。永井さんて人間描写がうまいんだろうなと思います。特に女性としての視点が、男である僕には新鮮でした。

北条政子は嫉妬深いと言われます。頼朝の女遊びのせいですが、それをストレートに表しているだけで、特別なことではありません。ただ頼朝の正妻であったために歴史に名を残しました。

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この小説は政子と頼朝のなれ初めから実朝殺害までを描いています。
乙女の心情から妻、そして母のそれへと描かれます。このあたりの描写がうまいです。女の人はこういうことを思うのかと教えられることが多々ありました。

最初は政治に関して無知です。武家の棟梁とは何か、将軍とは何かをわかっていません。頼朝の死後、頼家と実朝という一人前でない将軍であったために(特に頼家は酷かった)、政治家としての資質が前面に出てきます。今まで眠っていたものが、目覚めた感じですね。

政治とは非情なものです。果断な処置をしなければならないことがあります。これが息子たちに関することであるならば、母としての懊悩と葛藤が描かれ、読むものにその苦しみが伝えられます。

こうした生身の人間が描かれているのが特徴かと思いました。


解説に、当時の通説にない新解釈を織り込んでいると書いてありますが、通説を知らないものには、ただ通り過ぎるものでしかありませんでした(苦笑)

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これは良さそうですね

まだ北条政子についての本というのは読んだ
ことがないと思います。
私の家のすぐ近くに「清水八幡」があります。
木曽義仲の子、清水冠者源義孝を祀っています。
頼朝と政子の娘、大姫の婿となっていましたが、
義仲が頼朝に討たれた後、大姫が義孝を逃がす
のですが、入間川のところでつかまり、河原で討たれます。
北条政子は大姫がかわいいので、救おうと追いかけて
きますが、間に合わなかった、という話です。
割に合わないのは、頼朝の命で義孝を討ったこの地の豪族が、
政子に恨まれ、討たれたのですよね(笑)

ということで、北条政子には関心があります。

北条政子

四季歩さん、こんにちは。

小説の中では、大姫のことは結構書かれています。

コメント欄に書いていただいた顛末を、非情な政治の世界と乙女の恋心、母の心情を織り交ぜて描いてあります。


永井路子の鎌倉ものがあと数冊あるので、全部読もうかと思っています。
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