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のぼうの城(2)

「のぼうの城」を読みました。映画の原作です。

印象を一言でいうと、歴史エンターテイメント小説になります。楽しませてくれる作品です。
そして映画は原作に忠実です。小説の9割ぐらいが映像化されている感じです。映画の脚本は(実際のところどんなものかさっぱりわかりませんが)、小説をそのまま移し変えたと言えるほどです。

小説が映画化される場合、原作を忠実にいくパターンとかなり変更を加えるパターンの大きく2つがあると思います。
忠実度でいくと「のぼうの城」なNo1ではないでしょうか。(映画をそんなに見ないのに大きく言いますが)


この記事を書く前に、↓のDVDを見ました。
のぼう01

「歴史REAL」という雑誌です。
それのvol2、2年半前に発刊されました。

買ってそのままだったのですが、ようやく見ました(苦笑)

のぼう02

作者の和田竜さんは、当初正木丹波守を主人公にしようと考えていました。
その墓の前で手を合わせているシーンがあって、小説を読んで坂本竜馬の墓参りする人がいるように、自分の作品を読んで、正木丹波守の墓参りをする人がいてくれたらいいなと言っていました。

たしかにこの本では主人公の成田長親より、正木丹波守の登場回数が多いし、生き生きとしていますね。感情表現の場も多い。

作品としての構想を考えた時、忍城攻防戦を中心にして書くならば、それぞれのトップをすえてトップ同士の戦いとした方がよいと考えた。攻城側が石田三成、籠城側が成田長親という構図が定められた、ということです。


さて成田長親ですが、「でくのぼう」のでくを取って「のぼう」となり、農民に「のぼう様」と呼ばれます。
この人物はとらえどころのない・・・と僕は感じました。賢なのか愚なのわかりません。

「大愚は賢に通ず」

という言葉があったような気がするのですが、その一語で僕自身を納得させています(苦笑)



和田さんは「のぼうの城」を書く際に、史料を読み込み、現地に何度も足を運んでいます。
現在の忍城址は、当時の様子と大きく変わっています。実感できないものは書けないので、近辺を歩き、また自転車に乗ってイメージを膨らませていったそうです。
歴史小説を書く態度として非常に好ましいですね。村上水軍を題材にした小説が最近発売されたそうですが、楽しみです。


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