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充たされざる者

カズオ・イシグロの「充たされざる者」を読みました。



  
これまでに写真にある5作品を読みました。
左から作られた順に並んでいて「充たされざる者」は4作目になります。
(忘れられた巨人は7作目)

ご覧の通り分厚いですね。900ページを超えています。
数年前に買っていて、長い休みがある時に読もうと思って機会をうかがっていました。今回のGWは読書時間が取れそうだったので、思い切ってチャレンジしました。

ページ数が多い分確かに時間はかかりましたが、結構面白く苦にならず読み終えることができました。

読んでビックリしたのは、前3作と雰囲気が違うこと。
過去の追想から出てくる情感や、ストーリーの中に流れる抒情性が感じられないことがあげられます。周囲のドタバタに振り回される場面が多く、会話文がやたらと饒舌であることなど、違う作家の作品ではないかと思ってしまいます。

強いて言えばドストエフスキー的世界かな・・・

けれどドストエフスキーは好きな作家なので、そういう意味で面白く読ませてもらいました。



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細雪(上)

昨年のゴールデンウィークあたりに「小説を読むぞ」と決意し(大袈裟ですが、そうしないと読まないので)読み始めました。

国内作品では昭和の時代を中心にしようと思い、川端や三島あたりを読んでいきましたが、どうしても谷崎潤一郎に手をつけようとしませんでした。彼の作品に対するイメージから、僕の好みに合わないだろうなと思ったのです。

ところが昨秋あたりに谷崎作品の解説を聞く機会があって少し読んでみようかと思うようになり、手始めに「春琴抄」を読みました。

これが凄くよくて(食わず嫌いが実際に食べて、その美味しさに驚く、まさにそんな感じで)、次に選んだのが「細雪」です。


   (2回クリックすると画像が大きくなります)

上中下の3巻あるのを1冊にまとめたものを購入し、正月から少しずつ読み、上巻を先日読み終えました。



大阪が主舞台で四姉妹の物語です。

日常的に起こるあれこれを描き、ドラマチックなものはありません。色々と出来事がありますが、人情や人間関係の機微が描かれ、それが大阪弁の中にくるまって、なんとも心地よい世界なんです。


昨年の読書

ここ5年ほどの年間読書量は50冊ほどでしたが、昨年は75冊でした。なぜか?

武漢肺炎のおかげです。

自由に外出できず、自宅にこもらざるをえなかった。時間を持て余し気味で、することといえば読書しかなかった。
(既読本と未読本の整理と目録作成ができました。これもたくさんの時間があったヵら)

いつもは歴史ものが多く、ほとんどノンフィクションなので大きく変えようと思い、「小説を読もう!」と決めました。
いわゆる純文学なるものを今までほとんど読んだことがなかったから。

記録から数え上げると以下のようになります。

川端康成 3 、 三島由紀夫 3 、 辻仁成 2 、 絲山秋子 1 、 
辻原登 1 、 中上健次 1 、 宮本輝 1 、村上龍 1 、
谷崎潤一郎 1 、太宰治 1

海外作品では、カズオ・イシグロ 4 、 その他 8


読んだなぁ、と我ながら感心しています。歴史小説なら年間で20は超えることはあっても、いわゆる純文学作品でこれだけ読んだことはありませんでした。

いずれにしても小説の面白さに開眼したので、今年も読んでいきます。
さて、今年はどんな作品に出合えるか、楽しみです。

「奔馬」途中ながら

50年前に三島由紀夫は割腹自殺しました。
子供ながらに、当時大ニュースであったと記憶しています。

現在三島の作品である「奔馬」を読んでいます。三分のニあたりでしょうか。

昨年、彼の作品を初めて読み、今年数冊読みました。
最後の作品群『豊穣の海』4部作を読みかけ、今第二巻の「奔馬」の途中です。

その程度なので、三島のことはよく知りません。

無知ゆえに大胆な感想を持ち得ます。(こういう場合、ほとんど頓珍漢なものが多いのですが)

主人公の飯沼勲が三島に重なって見えます。切腹した三島に。





今後、三島作品を多数読んでいくかどうかわかりません。
『豊穣の海』の残り2作品は読みます。その後どうするかは決めていません。仮に三島に傾倒し、より多く知るようになったとしたら、今日の感想が赤面ものになるかもしれません(笑)

日向神話と出雲神話

昨日(1月12日)、は梅原猛の命日です。亡くなってから1年になります。

梅原さんを初めて知って、著作を読み始めたのが大学生の時です。「神々の流竄」「水底の歌」「隠された十字架」などを読みました。
20代のときに集中して読みましたが、あとはぽつりぽつりと読んできました。また気になった本は買うだけは買っておきました。

そして昨秋、ふと読みたくなって本棚から取り出してきたのが
  ↓
天皇家のふるさと

平成17年7月1日発行、とありますから14、5年前に購入したものです。


そして、この正月に読み始めたのが
   ↓
葬られた王朝

2010年6月20日 9刷とありますから、9年半ほど前に買ったのでしょう。


どちらも実際にその地を訪れて書かれています。書物だけ読んであれこれ書いているのではありません。遺跡をたずね神社をたずね、宮司や関係者から話を聞き、現地に立ってそこから感じ取られるもの感じ取って書かれています。

そこがおもしろい!



「令和」の出典が国書である万葉集から。ここから記紀万葉に読者のシフトの一部が移りました。
もともと古代史は好きなのですが、記紀万葉そのものでなく、歴史的事項が題材になっている本を読んできました。

いよいよ本丸を目指すようになった、ということでしょうか。
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