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東京藝大 第1弾

東京藝大ウインドオーケストラのCDが3枚出ています。そのうち2枚持っていますが、感想を一言でいうと

無茶苦茶うまい

これにつきますね。
下手にだらだらと書かず、写真をつけて「以上、おしまい」とした方がいいように思います(笑)

日本の吹奏楽団のCDをそれなりに持っていますが、群を抜いてうまいと感じさせられたのは、今回が初めてです。
たいがいが数回聞いて、あとは棚におさまり、必要があった時だけ取り出して聞くというパターンですが、この東京藝大の2枚は「聞きたいな」と思わせ、実際に何回も聞いています。

東京藝大vol 1

この写真は第1弾のCDで、アルフレッド・リードクロード・トーマス・スミスの作品が収められています。

技術的にうまいだけではありません。それだけだったら何回も聞きたいとはおもいません。合奏の質や表現力の高さもすごい、それらを含めた音楽性が高いんですね。(ありきたりな言い方ですが)

収録曲は
<アルフレッド・リード>
 1. 序曲「春の猟犬」
  2. アーデン森のロザリンド
  3. エルサレム讃歌
  4. 主よ人の望みの喜びよ/ヨハン・セバスティアン・バッハ
<クロード・トーマス・スミス>
  5. 華麗なる舞曲
  6. ルイ・ブルジョアの讃美歌による変奏曲
  7. フェスティヴァル・ヴァリエーション
です。

「春の猟犬」は大好きな曲。「アーデン森のロザリンド」は初めて聞く曲でしたが、いっぺんに気に入りました。「エルサレム讃歌」もいい曲です。
「主よ人の望みの喜びよ」はリードの編曲によるものです。僕が所属する吹奏楽団で演奏したことがあります。懐かしさとこんな演奏ができたらいいなという羨望とがあります。

リードは大好きな作曲家でよく聞きますが、スミスはほとんど聞きません。しかし、このCDで見直しました。結構いいです。そのことを感じさせてくれたこともこのCDの副産物でした。

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作曲家の時代

中野雄「小澤征爾 覇者の法則」に以下の文があります。

「18世紀までは、貴族階級を中心とする音楽愛好家の関心は専ら作曲家の“新作”にあった
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンなどは、常に新曲の創作に全力を傾注し、初演のほとんど全てに自ら関わった。

他人の作品をプログラムに並べてコンサートを催すなどという習慣は無かったのである。

私は当時を「作曲家の時代」と呼んでいるが、20世紀をそれに対比するとしたら「演奏家の時代」と呼ぶべきかもしれない」 (P74)

現在、クラシックの作曲家の新作に対する音楽家の関心はどれくらいあるのでしょうか。現代音楽に関心のある一部のファンに限られているような感さえあります。

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それに対し吹奏楽はどうか。

海外のことはわかりません。日本に限って言えば「作曲家の時代」と言えるのではないでしょうか。

中学から大学までのクラブ活動において、合唱、吹奏楽、オーケストラその他に所属する人数の統計を取るとどうなるでしょうか?
我が町とその周囲を見る限り圧倒的に吹奏楽人口が多数です。それをイコール全国の趨勢と考えるのは危険なんですが、でも吹奏楽部員の方が多いような気がします。

吹奏楽をするということは、当然演奏する曲が必要になります。演奏曲は大きく2つに分けることができます。吹奏楽オリジナル作品と編曲作品です。
それらの中で、コンクールや定期演奏会のメイン曲はオリジナルになります。(吹奏楽をする人間は、吹奏楽オリジナル作品を「オリジナル」と呼んでいます)

コンクール課題曲はオリジナルの新作で、自由曲もオリジナルの新しい作品が取り上げられることが多いです。

冒頭に引用した「音楽愛好家の関心は専ら作曲家の“新作”にあった」に近い状況であると思われます。
ここでは、音楽愛好家が吹奏楽部員と吹奏楽楽団員、そして吹奏楽愛好者になります。

人気や流行がありますが、オリジナルを作曲する人(作曲家)は常に注目されています。まさに吹奏楽は「作曲家の時代」といえる状況だと思います。



個人の好みを言えば、海外の作曲家ではアルフレッド・リードベルト・アッペルモントが好きです。
リードはすでに亡くなっていて、吹奏楽の古典に位置づけられるようになってきたかもしれませんが、最新作が出ないぶん、だんだん影が薄くなっていくかもしれません。

日本では酒井格が好きですが、彼も一時のような人気はありません。今、人気があるのは誰でしょうか。八木澤教司樽屋雅徳清水大輔あたりでしょうか。流行をあまり追っていないので、よくわかりません(苦笑)

千と千尋の神隠し

「千と千尋の神隠し」と言っても映画の話ではありません、吹奏楽の話です。

ジブリ作品は吹奏楽の重要レパートリーの一つと言っていいと思っています。
(そうではないという意見の方もおられると思いますが)

ジブリ作品と言っても吹奏楽に編曲されるほとんどは久石譲の作品です。だから「久石譲作品は吹奏楽の重要レパートリー」と言い換えてもそんなに問題ないでしょう。

さて、今日取り上げるCDは先日購入したものです。

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今年6月に録音された最新作です。5年前に発売された「風の谷のナウシカ」に続く第2弾です。(こちらのCDは未聴)

それなりに期待して聞いたのですが、それ以上でした。

今まで社会人吹奏楽団や母校定演のOB合同で、10曲以上ジブリ作品(吹奏楽編曲版)を演奏してきました。それからNSB(ニュー・サウンズ・イン・ブラス)で何曲も聞いてきました。それらの経験からおおよそこんな感じというイメージがあったのですが、このCDは完全にそれらを上回っていましたね。

演奏(東京佼成ウインドオーケストラ)がいいのは当たり前です。指揮者の時任康文、初めて聞く名前ですが、この人のおかげでもあります。それ以上に編曲者ですね。

吹奏楽って編曲が占める割合が大きいのです。吹奏楽オリジナル作品以外は編曲です。いろんなジャンルの音楽を吹奏楽は演奏できます。(幅の広さが吹奏楽の特徴でもあります)
その編曲された作品はやっていて楽しいものからうんざりするものまであり、聞きごたえあるものからそうでないものまであります。それほどに編曲は大事なのです。

それでいくと今回の編曲者の森田一浩(4曲というか5曲)と後藤洋(2曲)が素晴らしい。

久石譲の世界を自分のものにしている感じがします。

ジブリの主題による幻想曲と言ってしまいたくなります。


久石さん自身、ジブリ作品をオーケストラ用にアレンジして自ら指揮して演奏会をしたり、録音したりしています。
もし吹奏楽アレンジしたらどうなるだろう?指揮も自分でするとなったら。想像するのは楽しいです。けれども可能性はほぼゼロでしょうけどね(笑)
その代りを森田さんと後藤さんがやってくれた思えるほどの編曲の見事さでした。



<CDタイトル>
スタジオジブリ吹奏楽作品集 千と千尋の神隠し ブレーン コンサート レパートリー コレクション
<収録曲>
1. スピリティッド・アウェイ《千と千尋の神隠し》より /久石譲・木村弓
2. 「崖の上のポニョ」ファンタジー /久石譲
3. 「もののけ姫」ファンタジック・シーン 交響組曲《もののけ姫》より /久石譲
4. ナウシカ・レクイエム /久石譲
5. ポルコ・ロッソ 映画「紅の豚」より /久石譲
6. ザ・ウインド・ライズ 映画《風立ちぬ》より /久石譲
7. スピリティッド・アウェイ《千と千尋の神隠し》より /久石譲・木村弓


余談ですが、「崖の上のポニョ」に『ポニョの飛行』という曲があります。これは「ワルキューレの騎行」のオマージュですね。
映画を見た時にすぐ感じましたが、今回再確認です。


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編曲

昨日の午後はどうしていたか?

普通のことをしていたら、日本敗戦によるブルーな気分をずっと引きずったまま過ごさなければならないとわかっていました。
なにか没頭して、その時間だけでも忘れられるものが必要でした。

ラッキーなことに、探さなくてもありました(笑)

KC3D0018.jpg

編曲作業です。

毎年夏休みに、母校吹奏楽部の定期演奏会があります。
そこでOB合同演奏があるのです。

今年はプログラム構成上、2~3分の短い曲を探す必要がありました。

吹奏楽オリジナルのものあるいは編曲もので、そんな短い曲はなかなかないんですね。
いろいろ探していたのは先月のことです。演奏時間だけでいくと、いくらかはあるのです。しかし、プログラムを構成するときにピッタリくるものがなかったのです。

あるとき「あっ、そうだ!」とひらめくものがありました。それが上の写真の曲です。

題名は超有名です。

それは4楽章構成で、1楽章はみんな知っている曲です。(曲名は知らなくても、必ず耳にしたことがある曲です)

わかりますか?



その3楽章を定演のOB合同演奏曲にすることに決めたのです。
時間にして2分10秒ほど。演奏会ステージにぴったりはまりそうな感じがしたのです(笑)

けれども、その楽章の吹奏楽編曲はおそらくないと思いました。

仕方がない、僕がしよう!
提案者の責任だ(笑)



・・・という経緯があって、先週からぼちぼち始めていました。

「アイネ・クライネ・ナハトムジーク 第3楽章」

弦楽四部を吹奏楽に置き換えていきます。大変なのは吹奏楽に使われる多くの楽器は移調楽器であること。音を間違えずに記譜していかなければなりません。その作業には集中力がいります。

「この音は、この楽器ではどの音になるか」と考えている間は、ブルーな気分はどこかへ行っています(笑)


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ベルト・アッペルモント

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