少ない時間を何とかしてあと3冊にこぎつけました。
46冊目が、施光恒 著 「本当に日本人は流されやすいのか」
47冊目が、亀山郁夫、沼野充義 著 「ロシア革命100年の謎」
施光恒さんの名前を知ったのは今年の秋頃、いつものように書店でぶらぶらしていて「本当に~」を見つけました。
初めは「あー、施さんはこんな本を書いているんだ」と思いました。日本人論は結構好きなので、そういう類かなと思いつつ、一方で、
日本人は本当に流されやすいのかというときかけが気になりだしました。実際に手に取ってパラパラとページをめくっていくうちに、読みたくなっていきました。
結果、買って正解でしたね。
欧米基準でいくと、日本人は周囲に流されやすいからダメなんだとか、周囲に流されない「個の確立」が必要なんだとか言われますが、施さんはそうではないと批判します。日本人独自のよさや、しっかりと確立されている自己があるのだと主張します。その形成過程が書かれていて、かなりの説得力があります。
まさに目に鱗の論調でした。欧米基準でない、日本人のよさを教えてくれます。
“グローバル・スタンダード”で日本人の意識や価値判断を変えていこうとすることが、日本人の心の問題の大きな原因になっていないだろうか?
そう問いかけています。心理学の言説を引用して。これも説得力があります。
さらには、「
リング」という小説や映画を引用しての話もあります。
などなど、色々と示唆に富む内容でした。

共産主義とは何か? ロシア革命とは何か? という問題意識があったので、亀山さんと沼野さんの本を買いました。
両人ともロシア文学や芸術に関して該博な知識があります。それを縦横無尽に駆使して、ロシア革命に至る道や革命後からソ連崩壊あたりまで語りつくされます。
政治については少なく、文学その他の芸術分野について多くが語られています。
残念ながら基本知識がわずかしかないので、この本についていくことができませんでした。もし、相当量の知識があれば、すごく面白く読めるんだろうなと思います。
ロシアには関心があるので、今後いろんな本を読んでいって、知識が増え、それなりのロシア観ができてからこの本を読むと、どんな感想をもつだろう?
散りばめられた宝石を見つけるような楽しみが味わえるのではないかと予想します。